睾丸腫瘍 <間質細胞腫について>
今回は睾丸腫瘍の続きで、“間質細胞腫”についてのお話です。
◎この間質細胞腫の“間質細胞”とは、
精巣を構成する細胞の一つで、精子を作る場である精細管の管と管の間を埋めている細胞です。この細胞は、ライディッヒ細胞とも呼ばれ、主に男性ホルモンを分泌しています。この周りには血管が豊富にあり、産生されたホルモンは血流に乗って全身へと運ばれます。
◎腫瘍の状態と症状
通常、非常に小さく、精巣が大きく、触って明らかに腫瘍と分かる場合は多くないようです。ですので、超音波検査や細胞診によって診断する場合もあります(最終的な診断は病理検査と合わせて行います)。
老齢になって多く発生し、多くは無症状ですが、男性ホルモンを分泌する細胞ですので、男性ホルモンが関連していると言われる前立腺肥大や肛門周囲腺腫、会陰ヘルニア、尾腺の過形成などがみられる場合があります。また、脱毛を起こす事もあるようです。女性ホルモンの分泌により、雌化現象も起こる可能性があります。
◎治療
外科手術=去勢手術が有効な治療法です。